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 [.life] へようこそ。
 ここでは女性向けのオリジナルBL小説を連載しています。
 どうぞゆっくりしていってくださいね。

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 れん  :小説担当。萌えの三大要素はスーツとメガネと敬語攻め。
 ジョニー:管理担当。最近料理に凝り出しています。

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about works:
 作品が多くなってきたので「続きを読む」以下にまとめました。
 各作品、各話に直接飛べるようにリンクしています。

 

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cigarette ─君の夜に果てるまで─ あらすじ 

about story:
 クールな柊と情熱的な周防はすべてにおいて
 正反対ながら、パーティの席で出会い、一目惚れする。
 しかし互いにバリタチを譲らないため、心だけでなく
 身体も陥落させようとあの手この手の攻防戦が幕を開ける。
 そんな時、柊の主が企業献金の疑惑をかけられ、
 奔走した柊は事件に巻き込まれて大怪我をしてしまい───。
 言葉攻め VS 俺様攻めはどちらが先に陥落するのか
 大人の本気のラブストーリー。


about main characters:
 ■柊 京一(32歳) kyoichi hiiragi
  前園グループ幹部のボディガード。
  仕事に忠実で常に冷静沈着。時に冷酷な一面も。
  いつもダークカラーのスーツに黒いシャツを
  身につけている。視線を隠すため眼鏡も着用。
  髪は黒く、長身で細面。すらりとした印象。

 ■周防由也(30歳) yoshiya suoh
  大手財閥「大鷹」会長のボディガード。
  鼻の利くタイプで出たとこ勝負の博打好き。
  情熱的で頭に血が上りやすいが、腕は確か。
  髪は茶色、野性的な面差し。独自の色気がある。


『cigarette ─君の夜に果てるまで─ #01』は 12/1 スタートです!

lust ─殉愛─ あとがき 

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greeting:
 こんにちは、れんです。
 『lust ─殉愛─』シリーズ、
 お付き合いいただきありがとうございました。

 前作に引き続きの6話完結実験作、
 応援してくださる方々の日々のポチやweb拍手、
 凄く心強かったです。感謝感謝です(^-^)/

 今回は陰間がテーマだったこともあり、要所要所での
 説明がちょっとくどかったなという反省がまず最初に。
 キャラが分かりにくい部分もあったかな、というのと
 オイシイ脇キャラを活かし切れなかったというのが
 次回挽回のポイントですねぇ。
 短編も要因ではありますが、それでも読ませる作品にする
 ためにやれることはあるはずだ!を肝に銘じて頑張ります。

 さて以下、各キャラやシーンについての思い入れ&反省会です。
 全編お読みいただいた方、よろしければお付き合いくださいね。

 

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lust ─殉愛─ #06(完結) 

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 その日一日、椿は仕事を休んだ。
 いつまで経っても起きてこない姉を迎えに来た柳は、愁いを帯びた表情にすべてを察する。これまで誰かに強く心を動かされることのなかった椿が初めて夢中になり、懸命になった恋が終わったのだと知った。
「姉さん、食事置いておきます。元気が出ますから、食べてくださいね」
 小さな握り飯を置いて障子を閉じると、柳はその向こうで唇を噛む。自分の大事な姉さんを斯様にも苦しめるあの男が憎らしかった。
 ギリ、と奥歯を噛み、振り捨てるように新造は歩き出す。遠離る足音を数えながら陰間はそっと溜息を吐いた。
「ごめん、ね……」
 付き合いの長い柳だ、すべて分かっているのだろう。いらぬ心配を掛けてしまったとつくづく自己嫌悪に陥りながら、椿は盆を引き寄せた。
「ふふ。可愛らしい」
 昔、まだ柳が小さかった頃、よく作ってやっていたっけ。食が細かった柳はいつも飯を食いっぱぐれて腹を空かせていた。見かねた椿が自分の分から米を取り分け、握り飯を作って食べさせていたのが昨日のことのように思われる。今それを言ったらきっと怒るのだろうな、と想像し、ふわりと目を細めた。
 ありがたく頂くとしよう、と手を伸ばし掛けた、その時。
「椿! 椿はいるか!」
 声高に名を呼びながら主がズカズカと入って来た。
「ここにいたか」
「すみません。今日はお休みを……」
「構わねぇ。それよりおまえさんに良い話だ」
 いつもなら稼ぎ頭が良い身分だなどと嫌味のひとつも言うものを、気持ちの悪いぐらいに猫撫で声を出している。ニヤリと笑った顔が良からぬ事を企んでいるようで、椿はグッと顎を引いた。
「そう警戒するな。ようやく、籠から出られるってぇのに」
「……え?」
「おまえを身請けしたいってぇ奴がいんのよ。こっちの言い値で全部払っちまいやがった」
 吹っ掛けてやったぜと小躍りする主の声をどこか遠くに聞く。今この人は身請けと言った。どこの大名か、お偉いさんか。相手は知らぬが金は全額払ったのなら既に契約は成立している。当然のごとく当人の意志は入り込む余地もなく、ここに売られた時と同じように結論だけが突き付けられた。
「あ……」
 頭に過ぎったのは房之介の顔。愛しい男の深い眼差し。
 だが、断ち切るように首を振る。愛する者と結ばれぬ運命なら、ここにいようと誰かに囲われようと、籠の鳥には違いない。いっそ、ここにいるだけ房之介を待ってしまう自分が惨めに思えた。
「良かったなぁ、椿」
 人差し指で顎をしゃくるようにして持ち上げ、主は値踏みするように椿を見下ろす。
「どうした。まさか嫌だなんて言い出すんじゃああるめぇな」
「……いいえ」
 その手をそっと外させると、椿は毅然とした顔で主に頭を下げた。
「今までお世話になりました。喜んで嫁がせていただきます」
 そうして上機嫌の主が去って行くのと入れ替わりに、物言いた気な新造が顔を出す。最後の身支度の手伝いとして上物の打ち掛けを携えていた。
「……姉さん……」
「おいで」
 手招きをすると擦り寄ってくる。気を強く持っていても所詮は14。まだまだ大人の世界に染まり切れない無垢な魂は、突然過ぎる別れに戸惑いを隠せずにいた。
「柳、今までありがとう。柳がいてくれて、嬉しかった」
「そん…っ そんなこと、今頃気付いたんですかっ」
「うん。……ねぇ、柳はしっかり者だし、器量も良いし、きっといい陰間になるよ。保証する」
「でも姉さんはいなくなるじゃないですか。俺がいくら頑張ったって、姉さんがいなかったら……っ」
「柳」
 涙を堪える妹分の額にくちづけを贈ると、驚き声の出ない細い肩をそっと抱く。
「泣いちゃダメ。生き別れになったって、おまえは大事な妹だよ」
「……っ」
 気丈に振る舞おうとする柳の頭をポンポンと叩くと、椿はゆっくりと立ち上がった。
「さぁ、最後に着飾っておくれ。ハレの日だ、一等上等にしておくれ」
 迷いのない、凛とした表情に柳は目元を擦ってそれに従う。
 震える手で着付けを手伝う新造を見下ろしながら、椿は心の中で深い感謝を唱えていた。


  *


 金襴緞子に身を包み、柳に連れられて奥間に渡る。
 自分の運命を握った男との対面であるにも関わらず、椿はとても落ち着いていた。
 心を無にして、平らにして、あるべきことすべてを受け入れよう。そう決めた時から波は立たない。けれどせめて最後に一目、愛しい面影に会いたかった。この門出を報せたかった。
 心残りを翳らせながら顔を上げた先───部屋の中央に座る男の顔を見るなり椿は息を止める。
「……房之介、さん…………」
 細い声は辛うじて喉を震わせたけれど、すぐに嗚咽が溢れ、それ以上の言葉にならなかった。
「どうして……」
「待たせたな」
 その場に崩れ落ちそうになった椿に駆け寄り、逞しい腕が身体を支える。愛しい香りを胸一杯に吸い込むだけで目の前がグラグラと揺れた。
「迎えに来た」
 低い声で告げると、確かめるように両手で頬を挟み込む。見上げる房之介の瞳に映る自分の姿に、椿は涙を滲ませた。
「房之介さん……」
「椿」
 しっとりと合わさる唇。畳の上に膝を立てていたふたりは、息継ぐ間もないくちづけに煽られ、トサリとその場に崩れ落ちた。
 胸が鳴り過ぎて何も聞こえない。目の前の愛しい人の声より他は、もう何も。何も見えない。愛しい人を置いて他には見たいものなどありはしない。
「……泣くな」
 僅かに唇を離し、触れるほどの距離で房之介が囁く。けれどどれだけあやされようとも、伝い落ちる滴を止めることは出来なかった。
「だって、お、お金、……本も、書くって、……ゆって……っ」
 上手く言葉に出来ない椿にふわりと笑みを浮かべると、房之介はゆっくりと頷く。
「蓄えならあると言っただろう。本来の目的は、もう少し後回しだ」
「目的、って……?」
 首を傾げて問うのに少し迷うが、頑なな視線を前に首を竦める。
「両親の墓を、建ててやりたくてな。俺が小さい頃に死んだから、石を置いただけの墓に入っている」
「そんな……」
「墓標があった方が墓参りがしやすくていい、そう思っただけだ」
「ダ、ダメだよ。俺を優先しちゃ、ダメ」
 懸命に縋り付く両手を握り、噛み締めるように静かに告げた。
「人生は一度きりだ。俺は、おまえと生きるために在る」
「……っ」
 こんな告白を知らない。
 こんな眼差しを知らない。
 胸がギュッと押し潰されそうで椿は強く唇を噛んだ。
「おまえがそう言うのは分かっていた。だから……これでも手を合わせて来たんだ。今朝」
「あ……」
 だから見送りもさせなかったのか。
 目で問うと、房之介は瞬くことで答えを返した。
「おまえと生きていくために、もう少しだけ待ってくれと言って来た。だから心配いらない」
「房之介さん……」
「椿、泣くな」
 抱き寄せ、ポンポンと背中をさする。その優しい手が愛しくて、嬉しくて、いつまで経っても涙が伝う。
「そうだ。いいものをやろう」
 そう言って椿を膝の上に抱き上げた房之介は、懐から懐紙に包んだ金平糖を取り出した。桃色だけではない、黄色、緑、橙と七色の砂糖菓子をひとつ摘むと、「ホラ」と言って口に運ぶ。まるで子供のように甘やかしてくれる優しさに、椿は思わず縋り付いた。
「俺……俺で、いいの?」
「あぁ」
 真っ赤になった目を隠そうともせず、問えば間髪入れない答えが返る。房之介の決意の固さが椿の胸に真っ直ぐ届いた。
「房之介さん……」
「もう客じゃない。房之介と呼べ」
 見上げた穏やかな眼差しに椿はこくんと頷いた。
 やがて近付いて来る唇にそっと目を閉じ、暖かなぬくもりを受け止める。
 砂糖菓子にも負けぬ甘やかなくちづけがふたりをゆっくりと溶かしていった───。

end.
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lust ─殉愛─ #05 

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「待って、ま、…っ、ぁ……あっ」
 か細い声が喉を伝う。抱いたら折れてしまいそうな身体を追い立てるうち、境目さえも曖昧になった。
 慣らさずとも解れた菊花に醜い嫉妬を覚えたとて、忽ち身を持ち崩す甘い愉悦には逆らえない。自身を深々と打ち込んだ房之介は、腕の中で喘ぐ小鳥に愛し気に唇を寄せた。
「ぁ、ん、……はぁ、ふ…ふさの、すけ……さ…っ」
 くちづけられるたび、嬉しくて堪らないと椿は泣いた。
 身体に突き入り、掻き回し、欲望の芯まで溶かすほどに犯してもなお、椿は幸せだと繰り返した。
 どれだけのことを強いても彼が自分を求め続けてくれる喜びに、房之介は目が眩むような想いを味わう。優しくしてやりたいのに、快い思いだけを与えたいのに、椿の奥深くまで交わりひとつになってしまいたいという強い気持ちが執拗なまでに自身を襲う。手加減など出来ないまま、気付けば遮二無二貪っていた。
「房之介さん……の、すけ、さ……ぁあっ」
 繰り返し名を呼び縋り付くのが愛しくて、房之介は何度もくちづけを贈る。せめて今一時だけでもふたりだけの世界に閉じ込められてしまいたかった。
「椿……」
「房之介さん……」
 小さな手が伸ばされる。それに指を絡め、固く固く手を繋ぐと、房之介は高みに向って一気に駆け上った。
「あ、あ、あ……ぁ、───っ」
 ガクガクと揺らされながら椿もまた全身を震わす。身体の奥深くで爆ぜた愛の証と共に白濁を散らし、ぶるりと大きく揺れた後、そのまま気を失った。
 最後に静かに唇を合わせた房之介は、ゆっくりと息を吐いてから目を上げる。全身を灼き尽くすような強烈な快感を押さえ込み何とか身支度を調えると、あどけない顔で眠る椿の身体を手ぬぐいで丁寧に清めてやった。
 たった一度の熱でもいい。
 そう思っていた先程までの自分が信じられない。
 一度でも抱いてしまったら、これまでどうやって我慢出来ていたのかさえ分からなくなった。自分には欲などないと思っていたのに、箍が外れた途端浅ましい素顔が剥き出しになったようだ。
「参ったな……」
 苦笑を浮かべ、想い人の髪を掻き上げる。形の良い額に別れのくちづけを落とすと、房之介は振り切るように腰を上げた。
 部屋を横切る途中、ふと思い立って硯箱を開ける。起きてこれを見たら椿は何というだろうか、そう思うだけで切ない想いが込み上げた。
 いつからこんなに女々しくなってしまったのだろう、そう自嘲してもどうしようもない。
 そっと首を振ると房之介は部屋を後にする。
 表では、まだまだ長い夜を人々が賑やかに闊歩していた。


  *


 椿が目を覚すと傍らにあるはずのぬくもりは既になく、冷たい布団が彼が発って久しいことを告げる。飛び起きた椿は慌てて左右を見回すも気配はなく、ただシンとした暗闇が横たわっていた。
「そん、な……」
 この世界では、明け方陰間が客を大門まで見送りするのが常。その時に次の逢瀬を約束し、会えない時間を埋めるように色子達は客に縋る。夜の時間が濃密であればあるほど別れ難く、涙で衣の袖を濡らすことからきぬぎぬの別れと呼ばれるほどだった。
 房之介は、それさえも受けてはくれなかった。
 愕然としたまま椿は床を見詰める。
 思い返せば、これまで幾度も相見えながら彼は決して手を出そうとはしなかった。彼には夢がある。彼にはこの世界は似合わないと言っていたのは自分ではないか。それなのに自分が夢中でせがんだせいで、優しい彼は陰間を抱き、そしてそれを後悔したのかも知れない。これまでまっとうな道を歩んできたのに、椿の気紛れから始まった関係を彼は断ち切りたかったのかも知れない。
「なんて、こと……」
 愛していた。愛していたのだ。心から。
 彼の口からも同じ言葉を聞き、天にも昇る心持ちで自分は事を急いてしまった。なんて疎かなのだろう。己の迂闊さにいっそ死んでしまいたかった。
 所詮、真っ当な男は陰間など初めから相手になどしていなかった。あれは彼の気紛れだ。何度もそう思い込もうとするのに、自分を嘲笑ってそれで終わりにしたいのに、たとえどんなに傷付いたとしても彼を踏み躙ることなど出来なくて、椿は声を殺して泣いた。
「房之介…さ、……ふさの、すけ、さん……っ」
 一途な眼差し。優しい笑み。強引な唇、熱い身体。
 そのすべてが愛おしい。そのすべてをこの身で覚えていたい。他にはいらない。これ以上何もいらない。
「愛してる…………」
 ここから去って行ってしまったとしても、もう二度と会えなくても、あなたに会えて幸せだった。愛しい男に抱かれて幸せだった。
 泣き濡れた頬を労るように、東の空から朝日が昇る。
 ゆっくりと明るくなって行く部屋の中、ポツンと残された書き置きを見付けた椿は、それを手に取るなり血が滲むほど唇を噛んだ。

 『もろともに あはれと思へ 花椿』

「……ぅ、う……っ」
 押し殺した声が静かな部屋に響く。
 百人一首の中の一句を捻ったその歌に、どれだけの想いが込められているか気付かぬほど鈍感ではない。今しがたの逡巡も絶望も何もかも更地に返す房之助の深い愛情に、椿はただ泣いて縋った。

 『俺がおまえを想うように、おまえもまた俺を愛しておくれ。愛しい椿よ』

 最愛の男に愛された、それだけで生きてゆける。
 思い出を潰れるほど抱き締めて椿は誓った。
 もうこの心は誰のものでもない。誰に抱かれても誰に身請けされても、一生房之介だけに捧げるのだと。
 明星の星が霞んで行く。
 この光景を、自分は一生忘れないと思った。

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