cross #06
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夢を見ていました
懐かしく遠い日々
あの頃の君の笑顔が
何よりの宝物でした
今はひとり彷徨い続ける
氷のナイフを胸に抱いて
目を開き、最初に見えたのは真白の天井だった。
見知らぬ場所。捕獲されたのでないことは体の自由ですぐに知れた。
確かめるように数度瞬きを繰り返し、全身に力を込める。途端襲う激しい痛みに息を詰め、やがてそろそろと吐き出しながら、キリエは瞬断した記憶を手繰り寄せた。
闇に閃く白。
切っ先が食い込む衝撃。
自身を襲った輩のあからさまな敵対心を受け止めながらも、雨に流した血は彼に死を与えない。更には驚異的な回復力が既に傷口さえも塞いでいた。
胸元に掌を翳し、肘を突いて身を起こす。改めて周囲に目をやった視線の先には、じっとこちらを見つめる瞳があった。
「……目ェ醒めたんだ」
「………君は……」
誰何の声に、この家の主と思しき少年は僅かに小首を傾げてみせる。開き掛けたままのドアを後ろ手で閉めると、ゆっくりとベッドの傍らに腰を下ろした。
「覚えてないの? おまえ、倒れてたんだぜ」
「あぁ、うん……。君が助けてくれたのか」
ありがとう。
小さな礼に苦笑が返る。笑った顔は先程よりも更に彼を幼く見せた。
白い肌にサラサラと掛かる茶色の髪は小動物のようで、17歳だという実年齢を分からなくする。冬夜シンと名乗るその少年は、キリエの様子が尋常じゃなかったこと、苦労して家まで運んだこと、譫言のように誰かを呼んでいたこと、朝まで付き添っていたことを話した。
「熱も随分出たし」
「手間を掛けてしまってすまなかった」
「ま、いーよ。困った時はお互い様だろ」
そう言って屈託なく笑う冬夜は、未だ警戒を解き切れていない病人などお構いなしにその額に手を置くと、下がったな、と呟いた。
だが───。
「…………!」
触れた指先。
見つめた瞳。
冬夜と至近距離で面と向かった途端、キリエの身体に電流が走った。
この感覚に覚えがある。この違和感に覚えがある。理屈ではなく、身体が知っている。
「君は───」
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ようやくお話らしくなってきました。会話があるって素敵……!(涙)
これから七転八倒しつついろいろ展開させていきますよー!
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cross #07 に続く
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