seek #03
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そんな折、傍らの扉が開いた。
会議でも終わったのだろうか、受付を通り越してドヤドヤと人が流れていく。
出版社といえばオジサンが多いだろうと思い込んでいた一夏の予想は裏切られ、皆驚くほど若かった。斉藤さんもきっとこんな感じだったんだろうな、なんて既にない人のように想いを馳せつつ、仕方がないから出直そうかと鞄を抱えなおした、その時。
「どうした?」
小脇にファイルを抱えた男性が受付の女性に声を掛けた。
「あ、氷堂さん」
「何かトラブルでも?」
氷堂と呼ばれた男性はチラリと一夏に視線を投げるなり、含むように微かに笑った。
歳の頃25,6といったところか。周囲より随分落ち着いて見えるのは恐らく実年齢以上の雰囲気だろう。
撫で付けた黒髪に銀縁眼鏡がスタイリッシュで、実にスマートな印象を与える。中小企業の出版社というよりはベンチャー企業の若手社長とでもいった風格に圧倒され、一夏はその場に縫い付けられたまま動くことも出来なかった。
「実は、斉藤さんのアポでおみえなのですが……」
「彼は当分難しいな。さっきの担当フォローミーティングでも、3ヶ月先の予定まで押さえた」
「そうですか……」
ニベもない返事に女性は口元に手を当て、表情を曇らせる。だがそんなことなどお構いなしに黒髪の青年はデスクに歩み寄り、彼女にパソコン操作を依頼した。
「ちょっと会議室予約内容を見せてくれるか」
ひょい、と受付デスクを覗き込み、LAN経由で情報を引っ張っているらしい。一夏と打ち合わせをすべく押さえていたのであろう、会議室予約システムに入力された内容を確認した氷堂は、一瞬怪訝な顔をした。
「分かった。では、私が替わろう」
「編集長には……」
「後からでも言っておく。予約はそのままにしておいてくれ」
「分かりました」
矢継ぎ早な展開に着いて行けてない一夏は、チラと一瞥する冷やかな眼差しに違和感を感じつつも流れに従うより他になかった。
「ご案内します」
低く、それでいて凛とした声に負けぬよう背を正す。
薄いカーペットに吸い込まれる靴音。
廊下の一番端、ふたりは会議室に身を滑らせた。
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攻め様ご登場です。アップが遅れたのは彼のせい(ウソウソ)
さて、早速密室で何があるかは明日のお楽しみです〜(>ω<)
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seek #04 に続く
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