seek #04
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「やめといた方がいい」
だが、一度ならずも二度までも。
開口一番のインパクトに、一夏はまたも意識を遠退かせることとなった。
「聞こえませんでしたか。やめておいた方がいいと申し上げたんです」
訪問者が二の句を継げずにいるのをこれ幸いと畳み掛けた社員は、これぞ取り付く島もないといった風にキッパリと切って捨てた。
だが、だからといって「はい、そうですか」と引き下がるわけにはいかない。
目の前でみすみすデビュー逃してたまるかっつーの。
「それ、どういう意味ですか」
食い下がる一夏に目を上げて見せた氷堂は、僅か眉を潜めたばかりで口を開こうとはしなかった。
「俺の力量不足ですか。それとも学生だからですか。ハッキリ言ってもらわないと納得出来ません」
「あなたのためを思って、ですが……?」
「そういう曖昧な逃げ方をしないでください」
「……私が逃げていると?」
銀縁眼鏡の奥、切れ長の目がすっと細められる。
空気が変わる音がした。
「ではお聞きしますが、創刊されるのがどんな雑誌がご存知ですか」
「い、いいえ……」
「その雑誌の趣向に合うかどうかは検討されませんか。たとえば……自分の範囲を超えている、など」
含みのある言葉に一瞬怯んだが、えぇい、知ったことか。
「それは自分の分野に固執するヤツの台詞です。俺はいろんな可能性を試したい。だから書きたい、それだけです」
「ほぅ…いいですね。では、今回の話も受けていただけると?」
「勿論」
「ジャンルを問わず?」
「無論です。意地でも書きます!」
「そうですか。それはよかった」
そして向けられる、満面の笑み。
「私はお止めしましたからね」
鮮やかに弓形を描く唇が水面下の思惑をも物語り。
「えと、参考までに、その雑誌って……」
「BLですよ」
サラリと言い捨てられた言葉の重さときたら。
これって人生最大のピンチじゃないの───!?
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売り言葉に買い言葉の結果がコレとは可哀想なコ…(-人-)
氷堂サン的にはオイシイ展開でしょうけどね〜(笑)
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seek #05 に続く
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