seasons #17
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これは一体どういう状況───!?
それは大チャンスという名の大ピンチ。人生最大の危機と言っても過言ではない。seasons のバックヤード、暗がりの中、なぜか巧矢は壁に追い詰められ、目の前には安曇がいた。
「……あ、安曇さん?」
恐々名を呼ぶのだけど、相手はまるで聞いていないかのようにジリジリとその距離を詰めつつある。普段なら接近戦に心トキメかせる巧矢ではあるが、今度ばかりは勝手が違っていた。
なにせ、胸がドキドキし過ぎて心臓が痛い。
彼の身に何が起こったか皆目検討は付かないが、この状況を一言で言い表すならば、迫られているのだ、自分が、彼に。
「いやいやいや、それおかしいだろ普通に」
思わず独り言さえ出る始末。この自分に取ってしか都合の良くない、あまりに飛躍した展開に巧矢は思わず眉を潜める。だが、悩める青年などお構いなしに店主は綺麗な笑みを浮かべた。
「……巧矢、キスせん?」
「は!!?」
突拍子もないセリフに腰が抜けそうになる。
「おまえ、俺のこと好きやろ?」
「な!!?」
なんで分かったんスか、という言葉は言わずとも知れたらしく、安曇は口元を引き上げて笑った。
「なぁ……えぇやん。俺、おまえとキスしたいし」
すり、と両足の間に割り込ませた膝が艶めかしい。それだけで身体中の血液が沸騰しそうになる。
「あずみ、さん。それ……ホント?」
「嘘吐くわけないやろ」
肩に伸ばした掌で腕まで辿り、そのまますっと腰に回す。その自然でいて挑発的な仕草に喉が鳴った。
「……あの……あんま、煽らないでもらえます?」
「嫌なん?」
「や、そうじゃなく……我慢の限界が近いんで……」
「なんの?」
言いたいことはすべてお見通しのくせに、あくまでシラを切り通す意地悪な笑みに巧矢は頭を掻き毟る。欲望が理性をやり込める、お約束の天使と悪魔の応酬が見えた気がした。
「俺、本気なんスよ。安曇さんのこと」
ゴク、と喉が鳴る。聞こえたかも知れないという羞恥は緊張に掻き消された。
「だから、キスもしたいし……それ以上もしたいんです」
「巧矢…?」
「我慢出来なくなっちゃうから! そんなんじゃ安曇さん傷付けちゃうだけだから、俺、安曇さんにちゃんと受け止めてもらえるようになるまで我慢しなきゃって……」
「たくや」
「……っ」
言葉尻を奪う声と共に柔らかな唇が頬に触れる。身体中に電流が走ったかと思った。
「我慢、せんでえぇよ」
「安曇さん…」
「俺はしたい。おまえは?」
「……もう、あんたズルイよ……」
懸命に踏ん張っていた足下が遂に崩れる。強固な城砦は今白旗を揚げて陥落した。
「安曇さん───……」
そっと引き寄せる身体。
ゆっくりと近付く唇。
吐息が掛かるほどの距離で、あなたの体温を感じる───。
「うわー!!!」
重なるはずだった想いは、だがフローリングにキスを贈るという無惨な結果によって今し方の遣り取りがすべて夢だったことが判明。ついでに頭を強打するという嬉しくもないオマケ付きで。
「痛った……」
あとちょっとだったのに、という思いは捨て切れない。だが、もう一方で「正夢かも」なんてニヤけるくらいには地に足が付かないほど浮かれている巧矢である。
相手が難攻不落の高嶺の花だということはすっかり忘れ、全力でポジティブシンキングを突き進む若人は今日も元気に出勤してゆく。
さぁこれが吉と出るか凶と出るか。
狙うところ敵無し、である。
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いつかこのふたりでこんな場面を書けたらなぁという習作(笑)
実際、ワンコは口説きスイッチが入るまでは及び腰だと思うんですよー。
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seasons #18 に続く
message(バトン、セリフSS:生徒会)
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こんばんは、相変わらず1日12時間勤務の れんです。
取り敢えず日付が変わる前に帰れるだけマシと思い込んでみます。
さて、今日は「fxd」のハナさまから【罰ゲームバトン】をいただきました!
もらったのは3日前なのに回答が遅くなってすみません〜。
実は火曜日まで外出してまして、サイト様巡りをしてなかったので
帰って来るなり「栄養補給」とばかり勇んで飛び出して行ったら
超ギリギリなバトンを発見し全速力でUターンした次第でございます。
なんとか滑り込みセーフを狙って回答させていただきました!
それと、この「罰ゲーム」という単語に異常に萌えたため(またか)
おまけのセリフSSもくっつけときます。
久しぶりの生徒会シリーズ、といえばもうオチまで分かりそうなアレです。
よろしければ「続きを読む」からお付き合いくださいませね(^-^)
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