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 2008年05月 

seasons #08 

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「えーと。これが胡蝶蘭で、こっちがシンビジウム……? なんでこんな似てんのに違う名前が付いてるわけ?」
 詰め所に他のメンバーがいないのをこれ幸いに植物図鑑を広げながら昼食を取っていた巧矢は、読み始めてからものの数ページで早くも半泣きの有様だった。
「それどころか何だよ、このカトレアって。見た目一緒じゃん!?」
 この発言を安曇が聞いたら問答無用で叩き切られるだろうことには気付いていない。
「ゲー。デンドロビウムとかもう、戦隊ものの必殺技かよ〜〜」
 それどころか簀巻きにしてベランダから吊されそうな失言をかましつつ、飽和状態に陥った輩は半分意識を途絶えさせ。
「ダメだ……」
 パタリと図鑑の上に泣き伏せた。
 こんな状態じゃこれから先が思い遣られるとばかり、未練たらしく瞼を持ち上げた視線の先、あまりの衝撃に飛び起きる。
「"我が儘な美人"?」
 唐突に目に入った言葉を思わず音読するくらいには衝撃的だった。花の本のどこに我が儘な美人が、と目を疑い掛け、それが説明に付記されたデンドロビウムの花言葉なのだと知る。
「美人……美人といえば、安曇さん……」
 妄想には加速度センサーが付いているとは巧矢談。
「うわ、俺、必殺技とか言ってゴメンなー。デンドロビウム、おまえはエライ」
 拳を握ると改めて愛しげに写真を見遣る。心なしかさっきより可愛く見える気がする。それにもう完璧に覚えた。おまえと俺はマブダチだな。
「えーと、その他には……カトレア、"あなたは美しい"? おまえも分かってんじゃん! だよなー、安曇さんの美しさは別格だよな! あ、もう1個書いてある……って、"純愛"!!? な、なんだよ、そんな純愛とか言われると照れるじゃん!」
 途端モジモジしながら周囲を見回してみたりするほどには挙動不審。
「シンビジウム、"誠実な愛情"、"華やかな恋"! わー、なんつーかもう、目眩く世界が見えるな! 誠実な人が好きやねん、みたいな、ねー! 言われたらどうすんだっつー話だよ!」
 勿論コンマ 0秒で押し倒すけどな!
 セルフノロケにセルフツッコミを入れる忙しなさは端から見ればどうしようもないのだが如何せん、悲しいことにギャラリーはない。ゆえに強制終了の術がない。
「"幸福の到来"、"あなたを愛します"ぅ〜〜!!!? あーもーダメだ。胡蝶蘭が超ヤバイ。もう俺安曇さんを幸せにするしかない。生涯の伴侶にするしかないー!!」
 植物図鑑相手に大絶叫、大興奮。
 絶賛安曇キャンペーン実施中のようである。

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見た目が似てる花を探してネットの波を泳いでたらピッタリなもの発見。
開店祝いとかに送られる胡蝶蘭て、実は凄い意味だったんですね(笑)

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seasons #09 に続く