seasons #09 

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 花言葉に激しく我を忘れ、巧矢が拳を空に突き上げた、その時。
「相変わらず威勢がいいねー」
 扉が開いて仕事仲間が顔を覗かせた。
「あ、谷野さん。どもー」
 にこにこと近付いてくるこの人も一条さんと同様昔からの付き合いで、のんびりした性格が詰め所のオアシスとの呼び声も高い。最近ようやく奥さんをもらったとかで、幸せオーラを振り撒いているのだが───フフ。すぐに俺も続きますよ、と心の中で付け加えたところに、ひょいと手元を覗き込んだ相手はナイスタイミングで水を向けた。
「たくちゃん、彼女でも出来たー?」
「うおっ なんでッスか」
 告白はまだだ。お付き合いもしていない。というか、彼女ではない。彼氏になる予定。なんちゃって。
「最近毎日花の本見てんじゃん」
「あー、これはですねぇ、俺のハッピーライフプランです」
 ゆくゆくはふたりのラブライフプランです、などと続けようとしていたところに、これまたいい頃合いでストップが掛かった。
「谷野ちゃん、コイツのコレは気にしないでやって」
「一条さん!」
 後輩の暴走を止められる唯一の人物である一条が入って来る。
 聞けば今日はシフトが休みで、たまたま近くまで来たので様子を見に寄ったのだという。谷野同様、巧矢の恋愛指南書ともいうべき植物図鑑を覗き込んで、いつもの苦笑を浮かべて見せた。
「おまえ相変わらず猪突猛進だなー。どうよ、少しは諦め付いたか?」
「何言ってんスか。この幸せ絶頂期に向かって」
 世界がドピンクで見えますよ、と言うとあからさまに眉を顰めた。失敬な。
「……頼むからストーカーにはなるなよ?」
「なりません! 俺がストーカーからあの人を守るんです! あんなに綺麗で美人でストイックな人ですもん、ストーカーのひとりやふたりいておかしくない! いや、いる! いるに違いありません!」
 ダンダンと拳で机を叩きながら演説は続く。
「だからこそ俺はあの人を守るわけです。それに気付いた彼が俺を見つめて、潤んだ瞳で『巧矢……』なんて言った日にゃもう……! それこそあなた……!」
「ハーイ、昼休憩終わりー。午後も頑張るぞー」
 だが、先輩というのは無情なもの。
 これから、というところで実にあっさりと切って捨てられ、まるで鶏を追うように仕事へと追い立てられる。
 だが、めげない青年は元気よく運転席へと身を滑らせた。
 目的地は一路、安曇の元へ───。

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変態攻めイェーイ! 愛の暴走列車イェーイ!(笑) 楽しいです……。
変態がイケメンであればあるほど愛しさが募るのはどうしてかしら〜。

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seasons #10 に続く

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