faith #05
←前話へ
「順序立てて話してもらいますけど」
事の起こりから丸一日。
件の相手に膝詰め談判を申し入れるものの、少し目を離した隙にすぐその辺に寝そべり倒すという緊張感の欠片もない輩を宥め賺し、ついでに脅し、ようやくのことで正面に座らせると少年は抑揚のない声で切り出した。
「そもそも、俺はあなたの名前ぐらいしか知らないんだけど」
「あぁ、おまえの名を聞いてなかった」
質問に質問で答えるのは王族特権かコノヤロウ。
思わず口を滑らせそうになりつつ、相手のペースに嵌っては逆方向に振れるということがよく分かった。仕方なしに、自己紹介をするに至る。
「…………聖司。白埜聖司」
「そうか、セージか……」
いい名だな、と目を細める仕草にドキリとする。美男子は何をしてもサマになるから心臓に悪い。
「どんな意味だ」
「意味?……うーん、漢字だと聖なるものを司るとは書くけど……」
名前と本人は別モノだから、と付け加えようとするのを遮られ。
「ということはおまえは聖職者か」
「そう見える?」
「いや、見えないから驚いてる」
「シヴァ!」
まんまと冗談に乗せられたことに気付いても後の祭り。
「あっはっは! おまえもアルーダと同じだな。ちょっと揶揄うとすぐ怒る」
「分かっててやんのはタチ悪ィぞっ」
絨毯に腰を下ろしていた王子は地団駄を踏む訪問者を引き寄せ、足の間に座らせる。そうして後ろから抱き込むと、項にそっと唇を寄せた。
「……わっ、ちょ……っ」
「おまえ、感度がいいんだな」
「俺を女扱いすんなっ」
「気が強いヤツは好みだ」
不意に首筋を伝う温かいもの、ザラリとした舌の感触。
「んぁ…っ」
「セージ……」
耳元、吹き込むように低い声で名を呼ばれ、不覚にも肌が泡立つ。
「……シ、ヴァ…」
「どうした、もう欲しいのか」
「バ、バカ言うなっ。俺は男なんだからなっ」
「それがどうした。俺はおまえがいいんだ」
さも当然のように言い含めるすぐ傍ら、こんな熱烈なアタックなど受けたことのないセージは早くも対処方法に窮している。
「……セージ……」
「ちょ、それ……耳元で言わないで……」
「我が儘なヤツだな。なら耳朶甘噛みしながら囁いてやる」
「どうしてそう、……んっ、なに、や……っ」
「お気に召さないか? キスがいいなら初めからそう言え」
「バッ、ちょ、……シヴァってば!」
褐色の腕に背後からホールドされ、まさに逃げ場のない状態での生殺し。
「セージ」
「……あ、」
呼び掛けに顔を上げ、ふわりと重なる唇に、抵抗こそあれ嫌悪感がないのが自分でもよく分からない。忍び込む舌の熱さ、歯列を割る痺れるような快感に頭の芯が溶かされてゆく。どこまでもふわりふわりと落ちていくような浮遊感は現実離れしていてひどく心地がよかった。
抱き込まれる胸の厚さに。
肩を引く腕の逞しさに。
知らず惹かれ初めている。その声に酔わされている。
顎を持ち上げる指先が、スル、と唇を撫でた。
「セージ……俺のものになれ」
----------
このへんあっさり流す予定だったのにドS王子のエロスが炸裂しました…(@_@)
いやー、いっそ気持ちいいほど相手無視ですね! それでこそドS!(褒)
ちなみに5話目にしてようやく主人公の名前が出ました。ヤレヤレ。
お気に召しましたら「BL小説」バナーをクリックしていただけると嬉しいです♪↓
faith #06 に続く
- ≪faith #04
- | HOME |
- faith #06≫
コメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
ドS王子!!!
相手の意向まったくもって無視!!
もうホントにそれでこそです!!!
ドSが炸裂するごとにテンション上がってますよ
(いい具合にツボをぐいぐいと押されてますから)
祭ですね〜〜!(>_<)
秘密コメントくださったYさま>
エロイッスか!
お楽しみいただけてるみたいで何よりですハァハァ。
シヴァがツボを突いてるとのこと、嬉しいです♪
リンクのお話、迷惑だなんてとんでもないっ!!
ぜひぜひ、張ってやってくださいませ!
今後ともよろしくお願いいたします〜〜<(_ _)>
こちらからも張らせていただきたいんですが、
どうもリンクページのアップ反映が上手くいかなくて
ご迷惑をおかけしてしまいそうなので、
その謎が解決しましたら改めてお願いさせてくださいww
Towaさま>
ホント、ドSはどこまでいくんでしょうねぇ……(遠い目)
彼の相手がつとまるのはどんな人物なのかと
思い巡らすたび、その条件の多さに眩暈がします(笑)
とはいえ、嬉しいことにテンション上がってますか!
そう言っていただけると私も鰻登りですっ!
コメント、ありがとうございました!!
- | HOME |
コメントの投稿