faith-2 #02
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隊商達を迎えるための宴は日の入りと共に始まり、篝火が焚かれる中盛大に催された。
数人の男達はいずれもよく日に焼けた褐色の肌に黒い髭を蓄え、逞しい肉体が数々の修羅場を潜って来たことを物語る。並々と葡萄酒が注がれた金の杯を煽りながら豪快に笑う様は、これまで宮中を訪れたどの謁見者とも一線を画していた。
隙はないのに変に構えたところがない。恐らくそこがシヴァの気に入りなのだろう、先程から同じペースで盃を開けているにも関わらず、微塵も酔った素振りをみせずに話に興じている。彼が夢中になっている証拠である。
「あれは…?」
そんなシヴァの相手をしている人物に興味をそそられ、傍らに控えていた女官に名を問えば。
「隊商の統率をしておいでの、マージャ様です」
先代の王の頃よりラーマに立ち寄っていた青年なのだという。年はシヴァよりいくつか上だろうが、それにしても隊を率いるにはかなり若い部類に入る。しかも数年前からの出入りとなれば、王は彼の商いの才を早くから見抜いていたということになろう。そしてそれは息子にも引き継がれた。
「てことは、シヴァとも長い付き合いなんだね」
「はい。旧知の仲のように」
それはあの笑い顔を見れば一目で分かる。日常生活において、政に神経を張り詰めている彼がすっかり気を許しているのが伺えた。
「シヴァ様は、マージャ様の裏表のないところが大層お気に入りとのことです。マージャ様も、シヴァ様の本質を見抜く力に感服しておられると」
「……お互い大好き過ぎるねぇ」
それこそ "気が合う" というヤツなのだろう。苦笑を浮かべると、彼女も袖を口元に当てて笑みを堪えて見せた。
「セージ」
自分達の噂をされているとは露知らず、話が一段落した国王が隣に来るよう后を呼ぶ。女官に目配せをして席を立つと、セージは改めて商人に引き合わされた。
「へぇ! こりゃ驚いた」
だが、第一声。目を丸くした相手にむしろびっくりしたのはセージの方である。
「シヴァ様がお后もらったっていうからどんな跳ねっ返りかと思ったら、男性とはねぇ」
歯に衣着せぬ物言いは宮中では決して出会えぬタイプだ。
「さすがシヴァ様、俺の予想をいつも裏切る」
「だからいいんだろ」
何という似た者同士。よく分からないが、これでお互い納得してるらしい。今し方驚いたことなど忘れたように改めてセージに向き直った相手は、目を細めて笑みを浮かべた。
「随分と白い肌だ。この国の人ではないだろうに、よくぞお輿入れされた」
「まぁ、俺が魅力的だからな」
仰け反るようなシヴァの答えもあっさり聞き流す図太さに尊敬すら覚え。
「にしても……そこらの姫さん方には悪いが、随分と美しい方だ」
「……へ!?」
「コラ、マージャ。俺の嫁に手を出すなよ」
「いやいやいや、ふたりともおかしいって。俺男だから。美しいとかないから」
「おまえはまだそんなこと言ってるのか? 毎日毎晩言い聞かせてるのに」
「ハハ! アツイねぇ」
慌てふためくセージを他所に、マージャは豪快に笑い、シヴァは得意気な笑みを上らせる。その呼吸たるやまさに阿吽のそれである。
「あぁ、そうだマージャ。今回はどれぐらい滞在出来る」
「国王のお許しさえあれば、いくらでも」
「そうか。ならあとひと月いてくれ。会わせたいヤツがいる」
「へいへい。どんな相手で?」
残りの酒を煽りながら何気なく問うた答えは、またも予想を裏切ることになった。
「俺達の子供♪」
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マージャみたいなタイプは初めて書くので楽しみです。ガラ悪いけど(^-^;)
にしても、シヴァから「俺達の子供」発言を書く日が来るとは……しみじみ。
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faith-2 #03 に続く
コメント
マージャ!
マージャいい!っす!!
本当、今までのれんさんの息子達にはいなかったタイプですね♪
豪快で頼れる兄貴、って感じがまた良いですねぇ(´∀`)
そして嫁自慢をするシヴァに、また惚れ直しそう(笑)
お子さま達の登場で、またハラハラの毎晩になりそうですが・・・くぅ〜楽しみ!
お初です
始めまして〜。
前話も読みましたよん♪
おもしろかったです〜
思ったよりも熱々なんですね(爆)
頑張って書いてください〜
わわわww
柚子季さま>
マージャ気に入っていただけて嬉しいです。
こういうタイプって普段接点がないのでどうしたもんかと
思いつつ、手探りで書いてる状態ですわ〜。
そうそう、頼れる兄貴! そんなのが理想です。
シヴァは相変わらずで手が付けられません(;´Д`)
もうすぐちょっと胃が痛い数日が来ますが、よろしくです!
月ノさま>
こんにちは、はじめまして♪ ようこそです〜。
『faith-2 #01』もお付き合いいただけたんですね。
(あ、もちろん『faith』も、ですよね?)
お気に召していただけて嬉しいです。
えぇ、このシリーズは全体通して灼熱です(笑)
頑張りますのでお付き合いくださいね!
>また来てます〜
そうか、シヴァさまはお父さんか…!!
という変なところに激萌えています(相変わらず…
マージャさんもいい!ですね。
豪快なタイプ、男らしくて。
セージくん愛されてるな〜。
異国どころか異世界から全てを捨てて
嫁いできたのですから、大事にしすぎるって
ことないですもんね♪
登場人物が増えて更に魅力的なアラベスク♪
今後も楽しみにしております。
ウェルカムバックです〜♪
りりさま>
そうそう、シヴァパパですよ。お父さんですよ。
普通に考えて「それっていいの!?」って気もしますが
とりあえず萌えの方向に持っていっていただいたみたいで(笑)
マージャは今後要所要所で豪快に活躍予定ですので、
ぜひぜひお楽しみに♪
それにしても、セージのバックグランドを分かってて
くださるコメントが物凄く嬉しいです。
そうそう、異世界から全部捨ててきたんですよっ。
相当な覚悟だったわけですよっ。
それがあっての今なので、簡単にはいきませんが、
今後どう展開するかを見守ってもらえたら嬉しいです♪
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